杭州・西湖湖畔の三階建古民家全体を日本食の飲食店へと改修。落ち着いた雰囲気の2〜3階は独立の入り口を持つ日本食の料亭へと改修した。
料亭の玄関は天井の低い二階に計画となるため、アイキャッチとなる壁面を重点的にデザインした。玄関正面の透かし格子は伝統的な麻の葉模様を菱形と正三角形の2つのレイヤーに分割、再構成している。来訪者は正面から見たと時、視覚の中心に麻の葉を認識し、周縁につれパターンがずれていく。下足箱には名栗加工を施し美しい陰影の表情をつけた。2階客席の半分は個室となり、仕切りは太鼓張りの障子とし、二重格子のシンプルな背景となるようにしている。残りの半分はホール席となり、テーブル後ろに二重の麻の葉格子を設置した。開口部は採光を確保しつつ外部の現実的な風景を遮り、かつベランダの植栽を感じられるように雪見障子となっている。三階は全て個室を配置して落ち着いたフロアとした。屋根裏の高い天井高さを活かすように、床の間の違い棚を高い天井までダイナミックに展開し、間接照明を仕込んだ。これは修学院離宮の霞棚の参照である。

所在地:中国杭州市
オープン:2020年5月
設計:堤由匡建築設計工作室 堤由匡 洪秀秀 罗帅鹏 彭瑶君※ 张斯朗※(※インターン)
照明計画:リュースデザイン 石岡真己子
設備設計:北京東洲斎技術諮詢有限公司 石川星明 竹林克宣 山崎隆司
施工:杭州豊元装飾設計工程有限公司
床面積:260.2㎡
写真:Sensor見聞影像