内部完結に陥りがちな店舗インテリアにおいて外部との繋がりをどう意識させるか。単に表面的な装飾ではなく、深度を持つインテリアでありたい。

米を主体としたこの和食食堂では、求心性・東方性・粒子性をコンセプトとする。第一にテナントの十分な天井高さを活かし、入り口を高く、奥を低くして空間にパースをつけ、求心性を持たせた。第二に禅宗様式の寺社に見られる飛檐垂木を参照、展開し、何層にも重なる段状の天井を構成し、力強い東方性を表現する。第三には日本の寺社に倣い垂木の小口を白く塗り、正面からは白い粒子が散らばってるように見せる。これは言うまでもなく米のメタファーでもある。

住所:中国上海市

面積:102.5㎡

企画:田少寅

設計:堤由匡建築設計工作室 (堤由匡、史維維)

照明:シリウスライティングオフィス(戸恒浩人, 小野敏靖)

設備:北京東洲際技術咨詢有限公司(石川星明、竹林克宣、山崎隆司)

撮影:広松美佐江、宋昱明(北京鋭景撮影)

竣工:2017年7月